まのきちレポ1

Introduction

PROGRESA
= anti-poverty program in Mexico

子供の入学・出席・通院に応じてお金が配られる

幼児と妊婦・授乳者らに健康に関する現物支給(サプリとか)

母親をターゲットにしている
(これまでのプログラムと違う!)

260万世帯(地方の40%)

今回の研究

ランダムにPROGRESAに参加する地域としない地域を抽出した(RCT)

メキシコの貧困層の食事をPROGRESAが改善させたか調べる

貧困を削減するための介入が飢餓を減らすのかについて評価する

結論まわり

PROGRESAを受けた方がカロリー摂取量が多い

PROGRESAを受けた方が「より良い食事」をするようになる

より良い食事
=食事の質、動物性や植物性の食品から得られる栄養素が大事

プログラム内容と評価方法

RCT

506地域の24,000世帯
→320地域を介入群、186を対照群

サンプルの集め方など

含める内容

要旨

データ

既存?独自?
対象期間は?サンプルの単位は?
データの項目は?

分析の枠組み・理論・仮説

分析手法

分析結果と解釈

コメント・反論疑問

国勢調査・ENCASEHの調査に基づいて政策の効果が出るであろう地域を選抜→地域の集会でさらに検討

国税庁さを用いて、教育や医療面において貧しい地域を明らかに

ENCASEHを用いて、どの地域が受益する資格があるか調べた

地域の集会で検討し、プログラムの利益を受ける資格がある地域を選定

参加地域が実際にプログラムに組み込まれたかの確認

介入群のうち27%はプログラムの恩恵を受けていなかった

対照群のプログラム実施は2000年まで延期

そのうち85%は正式にプログラムに組み込まれていなかった

プログラムの効果を測る方法が2つ

介入群と対照群を比較する(介入群なのにプログラムを受けなかった世帯が含まれるバイアスがあるという問題)

プログラムを実際に受けた世帯だけにおいて効果を測定

受給は世帯の行動に基づくものであり、受給していない世帯を省くとそこにバイアスが生じる可能性

対照群も偏っている(より小規模で高齢)

よって、当初予定した介入群と対照群の比較(一つ目)にして、かつ性別や年齢や世帯規模をコントロールして分析するべき!

送金状態の確認

額は些細なもの(世帯の行動に影響を与えないもの)ではなかったか

データ収集直後に送金されていないか(正確な分析にならない

PROGRESAの給付方法について

奨学金 (=beca)

学校で必要なものを買うお金

食費 (=alimento)

手続きが煩雑で時間がかかる
→支払いに時間がかかったことに伴う給付の偏りが生じた
(ENCELのテータから判明)

年齢や性別によって額に差がある

項目:世帯サイズ・月平均受給額(受給種別)

推定方法について

データ収集開始時には給付が始まってしまっていたため、差の差推定はできない

conclusion

PROGRESAは子供の通学率と栄養摂取を高めた

世帯毎の食料消費亮に基づき効果を測定

1998のデータからは統計的に有意な影響は見られなかった

1999年のデータからは影響が見られた

プログラムを受けた方がカロリー摂取量が6.4%も多い

この効果はPROGRESAの「所得効果」によるものではないか

所得が増える→様々な食料を買うようになる

プラティカ(定期的な講義)で、多様な種類の食料を摂取するように言われる

受益者の行動が、介入群の中で配給を受けていなかった世帯の行動に影響

質の悪い食事に伴って死ぬ生後30ヶ月までの子供が多いことから、メキシコの乳児死亡率低下にも貢献

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プログラムの食料消費への影響

動機

健康と栄養状態の促進を図るには、量・質ともに高水準な食事をする必要(受給者もそう思っている)

既存

期間:1998〜1999

単位:世帯毎

食品消費量

既存(ENCEL)

過去7日間で、35種類の食品をそれぞれどれくらい消費したかのアンケート調査

調査

まずはプログラム前のカロリー摂取量の調査
(アンケート調査→世帯毎のカロリー計算→一人当たり算出)

このデータ取り扱いの際の留意事項

実際の値ではなく概算値である

カテゴリ分けはおおまかであり、その中でも差異がある

外食など家の外の消費カロリーは含まれない

世帯規模が大きい方が測定誤差が大きくなる

分析

カーネル密度推定により、1人当たりのカロリー摂取量の対数分布を推定

介入群と対象群において、それほど差は見られない(1998. 10)

1999.11のデータ推定では、介入群の値が対象群に対して大幅に右にシフト=増えた

既存研究において、これらの推定のp検定が行われ、1998.10は0.024、1999.11は0.0001以下で棄却

カロリー摂取量

データをもとにカーネル密度推定により母集団のカロリー摂取量の対数分布を推定

それをもとに、1人当たりの一日のカロリー摂取量を計算

p検定によりデータの有用性を証明

各調査における四分位数を表にまとめる

メキシコ貧困家庭において、穀物のカロリー消費量が全体の75%を占めている

摂取量の差は、プログラムを受けた後になるとかなり開く

多変数関数として定式化

介入群か対照群かをダミー変数、地域ごとの特性をコントロール変数として含める

地域の特性=世帯規模・世帯主の特徴・その地域の物価

その結果、カロリー摂取量の対数の期待値の差は、ダミー変数の定数の推定値である

ゆえにカロリー摂取の差はプログラムによる効果だと考えられる

誤差項として扱った部分をさらに詳細に

地域全体に共通する地域の特性

個人レベルのランダムなショック

これにより、地域ごとの固定効果を含めた回帰モデルを作成

実際のデータからの推定値

1998年は影響小さい(プログラムがそこまで進んでない)

1999年から影響が出ている

95%の信頼水準で統計的に有意

植物性・動物性食品からの摂取量が一番差が出ている

プログラムによって「良い食事」ができるようになったという仮定に合致

プログラムによる受給をしっかり受けなかった世帯のデータも分析に取り込む(ITT分析)

プログラム実施前のことが分からないので、正確な差の差推定はできないが、1998年時点では十分な給付が行われていなかったことから、1998年と1999年のデータで差の差推定に近いことは可能

ここまでの分析は家計消費を変数に含めていなかった

家計消費を含めた場合も、結果が変動する
→結果は2パターン

プログラム自体の効果

プログラムに伴って所得が上がることによる効果

穀物や「その他の食品」からの摂取カロリー
(所得をコントロールしたら変動しなかった)

動物性・植物性の食品

プラティカの効果