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ワインパーク略語辞典 (上級者 (ヌフパプ (シャトー・ヌフ・デュ・パプ Chateauneuf du Pape
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ワインパーク略語辞典
上級者
ヌフパプ
シャトー・ヌフ・デュ・パプ Chateauneuf du Pape
「法王の新城」という意味の南ローヌ最高の赤ワイン。日本人には発音しづらいうえに名前が長いので、この略語がかなり重用されている。最大の特徴として13種類ものブドウ品種を使う事が出来るが、全部使う生産者はほとんどいない。ちなみにソムリエ試験ではおぼろげに名前を覚えるだけで平気だが、上位資格のシニアソムリエ試験ではそれぞれの特徴を頭に入れておかなければならないらしい。
例:「このヌフパプやたら高いけど、VV?」
サンテミリオン衛星
リュサック、ピュイスガン、モンターニュ、サンジョルジュ
ボルドー銘醸地、サンテミリオンの衛星地区にある4つの地域にある生産地。略語ではないが、急に言われるとわからなくなる用語。日本ではあまり知名度が高くなく、見かける機会もそれほど多くはないが、コスパの高いものもある掘り出しモノ地域。
瓶熟
瓶熟成
文字通り瓶内で熟成させること。ワインの目指す方向性によって樽か瓶かを選ぶのだが、樽熟成のあとに瓶熟成を行う生産者もいる。醸造酒であるワインは瓶詰をした後でもわずかに空気が瓶やコルクを通して行き来していてよい環境であれば日々影響をワインに与え続ける。そのためセラーやカーヴでの熟成や何年寝かしているか、などヴィンテージの概念に繋がる。
樽熟
樽熟成
上述の瓶熟成とともにメジャーな熟成方法の樽内での熟成。瓶に比べて空気の出入りがダイナミックに起こり、酸素との反応が起こりやすくなる。また樽材からの成分も溶け出すため香味や口当たりに変化があり、樽に使う樹の種類によって特徴が異なる。最近流行りのオレンジワインはざっくりと言えばアンフォラという素焼きの甕で果皮などとともに熟成させたワイン。
AOC
Apellation d'Origine Controlee
アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ。アペラシオンという略語も見られる。日本語に訳すと「原産地統制呼称」で条件を満たした製品に対する品質保証でワインだけでなく、チーズや農業製品にも用いられる。AOC認証がされているワインにはラベルに必ず表記があるが、その場合「d'Origine」の部分が変わり認証されている生産地に変わることがある。ボルドーの場合、ACボルドーと呼ばれる。生産地域だけではなく、使用できるブドウ品種、最大収穫量、最低アルコール量など規定は細かく多岐にわたる。膨大な知識量になるうえ、昇格や新しく認定されるものもあるため、勉強には多大な時間と強靭な精神力が必要となる。
→IGT、DOC
IGP
Indication Geographique Protege
日本語に訳すと「地理的表示保護ワイン」AOCの下のランクに位置し、AOCよりも規定が緩やか。下のランクと思って侮っていると思わぬ高品質のものを発掘出来てホクホクすることがある。
DOCG
Denominazione di Origine Controllata e Garantita
イタリアの原産地呼称制度で最も等級の高い品質呼称。基本的な構造はフランスのAOCにほど近いため省略するが、特徴的なのはその下のランクにDOCという産地も品種も表記できる呼称があること。これが厄介で、ある生産地域ではクラシコはDOCGだけど、付かないものはDOCなどという勉強する人にとって迷惑極まりない状況が生まれている。もちろんそれがイタリアワインの面白いところでもあるのだが、覚えきれないというのが実情である。しかも今なおDOCGは増え続けているというのが悩ましいところ。勘弁してくれ。
→AOC
AVA
American Viticultural Areas
1978年に制定されたアメリカにおける原産地呼称制度に似たもの。大きく変わるのが栽培の認定地域ではあるが、栽培方法や醸造方法、ワインのタイプなどの規定はヨーロッパに比べて比較的自由。しかも州ごとに違う規定を設けることも可能なので個別で覚える事は多い。
BYO
Bring Your Own
意訳気味に日本語に訳せば「持ち込み可」飲食店にワインを持ち込み、料理と一緒に楽しむこと。もともとは酒類販売の免許を持たないレストランから始まったドリンクスタイルで、オーストラリアでは特に文化として根付いている。日本では歓迎するところもあれば断られるところもあるなど対応はまちまち。それでも受け入れてくれる店はあるので、感謝の気持ちや珍しいワインならばソムリエに味見などを勧めて、お互いに気持ちよくその場を楽しもう。
MLF
マロラクティック発酵 Malo-Lactic Fermentation
リンゴ酸と乳酸による発酵。鋭い酸味を感じるリンゴ酸が穏やかな酸味を持つ乳酸と炭酸ガスに分解されるため、ワインの酸味が変わってくる。酸味を抑えたい白ワインやほとんどの赤ワインで施される。その他微生物的な安定や味に複雑味を持たせたい場合に使用される。アメリカのプロスポーツリーグにありそうな名前。
DO
Denominacion de Origen
スペインの原産地呼称制度。スペインは独自色が強いのとこの制度に関しては散々前述したので、詳しくは割愛する。とても気になる方は自分で調べて下さい。主に生産地ありきで統制している制度だが、例外的にDOカヴァは逆で、生産者ありきで原産地呼称を認定している珍しい例で、実は認定外の畑で採れたブドウも使用できる。元々いた生産者の住所をもとにDOを定義しているため、スペイン全土に点在している。そのほか、瓶内二次発酵を用いる事や熟成期間の規定も存在する。
PP
パーカー・ポイント
誰もが一度は聞いたことのあるロバート・パーカーがワイン一つ一つにつけたポイント。100点満点で評価され、世界で最も影響のある指標として有名だが、評価するワインが偏っている、個人的な見解だ、など批判も多い。最近ではパーカー・ポイントの魔力は薄れつつあるが、それでも根強い影響力を発揮している。一時、彼の好むマッチョなワインが市場を席巻するなど一時代を築いた。
→WA
WS
ワイン・スペクテーター
ワイン・アドヴォケイトやパーカー・ポイントと並び称されるほど世界的に影響力のあるワイン専門誌。その年を代表する100本のワインを決める企画がとくに有名で、選ばれれば入手困難になる傾向があり、日本でもそのキャッチコピーを持ったワインを多く見る事が出来る。
WA
ワイン・アドヴォケイト
前述するロバート・パーカーが創刊したワイン専門誌。広告を一切掲載せず、読者からの購読料だけが収入源の公平なスタイルもあいまり、パーカー・ポイントの名のもとにワイン界の一時代を造り上げた。2012年にロバート・パーカー氏は引退しているが、今なおワイン・アドヴォケイトは健在。
GI
Geograpical Indication
日本における地理的表示。原産地呼称に近い制度だとはいえるが、なにせ日の浅い制度ではあるので知名度はまだ高くない。2013年、国税庁から地理的表示「山梨」が指定され、2018年に日本ワインの定義が明確に示されたことで日本初の地理的表示「GI Yamanashi」がついに注目され始める。この制度をきっかけに日本ワインの隆盛を願うばかりである。
EPA
経済連携協定
なぜ経済的な略語がワインに関係があるかといえば関税に大いに関係があるから。細かい数字は省きますが、2019年中にチリ、EUのワインにおける関税は撤廃され話題に。逆に輸出の際にも関税がかからない為、日本ワインにも海外での活躍の場がより一層見えるかもしれません。とはいえ実感がしづらいものでそれは我々販売業者も一緒です。
ブレット
ブレタノミセス酵母
馬小屋や納屋などのオフフレーバーを生み出す微生物。芳香成分のエステルを破壊し香りをぶち壊し、ペントースという糖の一種を減少させボディを奪い取り、自らの香りを発生させる某ガキ大将みたいなやつ。おまえのものはオレのもの、オレのものもオレのもの。
BIB
バッグインボックス
ワインの容器のひとつ。主にデイリーワインに使われ、2リッターや3リッターなど大容量のものに用いられる。箱の中に頑丈なビニールにワインが入っている構造で、中の液体が減るにつれ袋がしぼみ、空気に触れず劣化しにくい特徴を持つ。最近では高級レンジのワインも増えており、活躍が見込まれる。
中級者
カリピノ
カリフォルニアのピノ・ノワール
文字通りアメリカのカリフォルニア州で造られるピノ・ノワールのワイン。ほとんどの略語に言える事ですが、日本でしか通じない。そもそもブルゴーニュ以外では栽培できないとされていたピノ・ノワールはカリフォルニア州の中でも西海岸の沿岸部、特に冷涼な地域に植えられている。総じて品質は高いが、価格も高い。
類語:ブルピノ
ブルピノ
ブルゴーニュのピノ・ノワール
前述のカリピノと同じように、ブルゴーニュで造られるピノ・ノワール。カリピノに比べれば使われる機会が少ないように思われる。筆者自身、なんとなくこの言葉を使うのは抵抗がある。ちなみに同じフランスでもアルザスのピノ・ノワールはアルピノという略語にはしない。
類語:カリピノ
例:「この生産者のブルピノはどのVTでも安定感があり、安旨コスパ◎」
GSMブレンド
グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルのブレンド
それぞれのブドウ品種の頭文字を取ったフランス、ローヌ地方の伝統的なブレンド。現在では様々な地域で造られており、フランス国内ではラングドッグ地方、海を越えてオーストラリアやカリフォルニアで秀逸なワインが造られる。ブレンド自体はローヌ起源だが、語源として調べるならどうやらオーストラリアが発祥、という珍しい用語。ちなみに筆者は最近知りました。
RM
レコルタン・マニピュラン Recoltant Manipulant
シャンパーニュ生産者の形態を表す略語。ざっくりと説明してしまえば小規模生産者。主に自分で畑を持ち、醸造し販売している、ブルゴーニュではドメーヌ、ボルドーではシャトーに近い存在に使われる用語。後述のNMに比べて生産量が極端に少なく、日本に輸入されていない銘柄も数多くある。それにともない個性的な味わいを持つものが多く、その希少価値も相まって愛好家が殺到するため、基本的に高価。この沼にはまると一気にお金が吹き飛ぶ。
類語:NM
NM
ネゴシアン・マニピュラン Negociant Manipilant
同じくシャンパーニュ生産者に形態を表す略語。主にブドウを買い付け、醸造、熟成、瓶詰して出荷する生産者。ほぼ同義語で大手メゾンともいわれ、巷でよく目にするシャンパーニュはほぼNM。ラベルのどこかにRMやNMこのアルファベット2文字が必ず入っているので今度シャンパーニュを飲む機会があったら是非探してみてほしい。ちなみに他にも3つほどあり、ソムリエ試験を受ける人は必須暗記項目。
類語:RM
ジュヴシャン
ジュヴレ・シャンベルタン
「ブルゴーニュの王」「王のワイン」と呼ばれるブルゴーニュのコート・ド・ニュイ最大産地。最も多くのグラン・クリュを持ち、その中にはかのナポレオンが愛飲したワインの畑も含まれる。この産地の分かりづらいところはそれぞれの畑にシャンベルタンの名前が入ってしまっているところで、例えば、ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュのシャンベルタンのラベルはシャンベルタンとしか書かれない、といったことが起きうる。他のコート・ド・ニュイの産地はあまり略語はないが、ジュヴシャンだけあるのは謎。朝シャンに似ているから言いやすいのか。
DRC
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ Domaine de la Romanee Conti
世界で一番高価になるワイン、ロマネ・コンティの畑を単独所有(モノポール)している世界で最高と言われるワイン生産者。他にも同じヴォーヌ・ロマネ内のラ・ターシュを単独所有しているほか、グラン・クリュを多数所有している。
→ロマネ・コンティ
GC
グラン・クリュ Grand Cru
直訳すると「偉大な畑」ワイン生産地の中でもフランスで多く使われており、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、アルザス、そしてボルドーでよく見られる。基本的には村や区画、畑に対して使われることが多いが、ボルドーだけが格付けシャトーに対して使われ、少しだけニュアンスが異なる。ちなみにこの略語を使うと何となく不親切だなあと筆者は感じる。
-
五大シャトー
マルゴー、ラトゥール、ラフィット・ロートシルト、ムートン・ロートシルト、オーブリオン
厳密にいうならば略語の範囲に入らない用語ではある。ちなみにこれを覚える事からソムリエ試験の勉強が始まる。
例:「五大シャトー全部飲んだけど、ちょっと口に合わなかったわ」
チリカベ
チリのカベルネ・ソーヴィニヨン
一時期一大ブームを築いた安くて旨い赤ワインの代表格チリのカベルネ・ソーヴィニヨン。今でもデイリーワインの筆頭として考えている方も多いだろうが、輸入量が増えたことによって市場が飽和、それに様々なワインが入った結果、玉石混交の状態に陥り、一時期の勢いは失ったように思われる。ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンに比べ果実味は強く、人によっては甘みを感じることもあり、これを甘口と表現する方もいるが、基本的に辛口である。あとこの略語はそれほど世間に浸透していないため、ご利用は計画的に。
類語:カリピノ、ブルピノ
カベソー
カベルネ・ソーヴィニヨン
品種編で触れた通り、世界で一番有名と言っても過言ではない品種。当店でワインスクールに通っていた人曰く「スクールの先生が良く使っていた略語」とのこと。真相は定かではない。筆者はこの用語に耳慣れをしていないので、言われると頭の中で変換が行われる。
→カベルネ・ソーヴィニヨン
VV
ヴィエイユ・ヴィーニュ Vieille Vigne
簡単に説明するとフランス語で「樹齢の高いブドウ樹」生産者によって異なるが、30~40年でラベルに表記することが多い。ただ表記しない生産者も数多くいるので、実は古樹だった、なんてパターンもよくある。そのくらいの樹齢になってくると、樹になる果実の量が低下し、そのぶん一つのブドウに栄養が行き渡ることとなり、凝縮したブドウが生まれる。それをワインに仕立てると旨味あふれる滋味深い味わいになるとされる。ただ飲んでこれは古樹だと明確に分かるほどのものではない。
ウルタナ
ウルグアイのタナ
南米ウルグアイで育てられるタナ。元々はフランス南西地方のマディランで主に使われていた品種だが、ウルグアイの気候に適応し、今ではウルグアイを象徴するブドウ品種になった。ウルグアイは世界トップクラスの牛肉消費国で日本の十倍ほども消費する。最近では牛肉の輸入が約20年ぶりに解禁され、赤身肉人気が続く中、その価格と品質で外食業界が注目している。地酒と地の食材が合うセオリーに従えば、今後ウルグアイのワインも輸入が増えるかもしれない。
類語:カリピノ、ブルピノ、チリカベ
例:「ウルグアイビーフとウルタナの相性はご飯と納豆のようなものだ」
薄旨
薄くてうまい
主にブルゴーニュのピノ・ノワールに対して使われる褒め略語。出汁のような旨味がずーっと続くような繊細で奥深い味わいのワイン。日本人の味覚や食文化に合うとされ、良質な広域ブルゴーニュにキャッチコピーとして使われているのをよく見る。肉じゃがや煮物、煮つけ、赤身の刺身などによく合い、日本の食卓によく馴染む。
類語:安旨
テンプラ
テンプラニーリョ
天ぷらではない。スペインを代表する赤ワイン用品種で世界の生産量のほとんどをスペインで栽培している。様々な地域で造られているため、味わいの特徴をつかむのは難しく、ブレンドに使われたり、単一品種で仕立てたり、アメリカンオークを使って香りを際立たせたりなど様々なワインが造られる。別名(シノニム)が多いことでも知られ、書ききれないほど。ちなみに筆者はたまに使うが、使用頻度は低い。
長熟
長期熟成
言葉通りの略語。これもVVと同じで生産地や生産者によっても異なるうえ、販売者によっても基準がかなり異なる非常にデリケートな用語。長く熟成すればするほどいいかというと必ずしもそうではなく、どこかにピークはあり、それ以降は枯れていく。某有名食パンと発音は一緒。
初心者
VT
ヴィンテージ Vintage
ファッション業界や家具の業界では年代物や価値のある古いもの、といった意味があるが、元々の意味は収穫年という意味。その年に取られたブドウだけを使ってワインを造ると収穫年を表記することができる(国ごとに規定アリ)ブドウは自然環境に左右される農産物のため、年によって出来にばらつきがある。古いだけのワインの事をヴィンテージワインと言われると我々はなんかもやもやする。
例:「2000年は歴史的なヴィンテージだね!」
NV
ノン・ヴィンテージ Non Vintage
ヴィンテージ表記がされていない、ということ。主にデイリーワインやシャンパーニュによく見られる。理由は様々だがシャンパーニュの場合、フランスでも北部にあり、ブドウがうまく熟さないため、質が安定せず、ワインの質を安定させるために、複数の収穫年のワイン(リザーブワイン)を使用することが多く、ヴィンテージを表記できない。ノンヴィン、とも言う。
→シャンパーニュ
シャンパン
シャンパーニュ
これはありがちな用語。ざっくりとシャンパーニュを定義するならシャンパーニュ地方で採れたシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエを使用し、瓶内二次発酵を施し、最低15カ月瓶内で熟成させることで名乗ることができる。他にも細かい規定があるが、概ねこの通り。ちなみにシャンペンという略語もあり、古い言い方と笑う方もいるが、実は英語読みの略語としては正しい。
→AOC
ボジョレー
ボジョレー・ヌーヴォー
厳密にいうと略語ではないのだが、ボジョレーというとヌーヴォーというイメージが日本では強すぎて略語のように使われている。逆に単にヌーヴォーと言ってもボジョレー・ヌーヴォーの意味になることが多い。業界の人間はあまりこのことを快く思っていない。ちなみにボジョレーなのか、ボージョレなのか論争に対する答えとしては「ただの表記の揺れ」
例:「今年のボジョレーは今世紀最大の出来だった昨年を上回る出来」
ロマコン
ロマネ・コンティ
少しだけバブル臭のする略語。世界で一番高価なワインとしてあまりにも有名で、好景気に沸いていた当時の日本ではとてつもない量のロマネ・コンティが飲まれたらしい。伝説的な飲み物「ロマコンのピンドン割」が現実に存在したとかしないとか。現在では販売価格が100万円を下回ることはなく、偽物も多いため目にしただけでもちょっとした自慢になる。
→DRC
ドンペリ
ドン・ペリニヨン
シャンパーニュを発明したと言われる修道士の名前を冠した日本で最も有名なシャンパンのひとつ。ブドウが出来の良い年にしか作らないシャンパーニュで、通常の白のシャンパーニュのほかに後述するロゼ、より熟成をしたブラックラベルのエノテーク、それよりもっと熟成させたゴールドラベル、レゼルヴ・ドゥ・ラベイ、飲み頃を表す「プレ二チュード」を冠したPシリーズなど期間限定品を含めても多くのラインナップがあり、そのすべてが庶民に手の届かない価格設定。夜の世界のイメージがある略語で、ナンセンスとする方もいるが、呼びやすさもあって筆者自身はそれなりに使用する。
ピンドン
ドン・ペリニヨン・ロゼ
前述のドン・ぺリニヨンのロゼ。こちらの方がより夜の世界観が強く、この略語を毛嫌いする方も多い。基本的にロゼの方が価格が高い。ちなみに筆者は飲んだことがなく、特徴を聞かれてもよくわからない。
→ロマコンのピンドン割り
モエシャン
モエ・エ・シャンドン
同名の会社が造る日本でとても普及しているシャンパーニュ。モエ、という用語もあるが、どちらも会社名には使わずワインの名前にだけ略語を使う。シャンパーニュの代名詞と言ってしまうと完全に過言だが、それくらいに安定した人気を誇る銘柄で、贈り物や祝い事によく使われる。最近ではスーパーなどに置かれることも多く、身近な存在とはなったがそれでもやはり庶民には高根の花。ちなみにドンペリも同じ会社で造っている。少し夜の世界の匂いのする略語。
CH
シャトー Chateau
元々はフランス語で「城」という意味だが、昔はお城のような大きい建物でワイン醸造を行っていたことから、現在では主にボルドーでワイン畑を持つ生産者名として使われる。ただ、ブランド名にも使われることがあるため、実際に建物があってブドウ畑を所有しているかどうかは現在、あまり関係ない。
→五大シャトー
例 Ch. Margaux
ジャケ買い
ジャケットで買う事
元々はCDやDVD、本などの外装、つまりジャケットで商品を買う事。転じて今では様々な商品に適用される。最近では古典文学や近世文学にイラストやアイドルの写真など現代的な表紙を付ける事で一定の成果を挙げている事例もある。ワインに関して言えば、ジャケット=ワインラベル、エチケットとなり、生産者の意向を反映したキャッチーなラベルも見られる。ちなみにこの方法で買うと中身が少し外れても満足感がある気がする(筆者体感)
例:「この前ジャケ買いでワイン買ったら大当たり!」
安旨
安くて旨い
文字通りそのまま。安くて旨い。しかしそんなにうまい話はその辺には転がっていないのが世の常。何度も失敗して転がされて信頼できるワインショップを探すが吉。
類語:薄旨
「安旨ボルドー、どっかに転がってないかなー」
ボジョパ
ボジョレー・パーティ
ボジョレー・ヌーヴォーの解禁を前に数年前、大手メーカーが始めた販促の一種。ボジョレーを飲んでパーティしよう!というとても素直な飲み方提案。その後、見かけなかったところからも結果は言うまでもないと思われる。
→ボジョレー
コスパ
コストパフォーマンス
言わずと知れた略語。ワイン業界だけでなく様々な業界、世界で使われ、改めて説明するのもおこがましいほど。元々の「費用対効果」という意味と嗜好品というワインの性質を考えれば、かかったお金に対しての満足感、というふうにとらえる事が出来る。ただかかった費用は明確なのに対し、満足感というのはふわっとした指標で、数値化しづらい。ある人は珍しいワインから満足感を得られたり、またある人にとっては高くても生まれ年のワインを飲むことに満足感を得たり。ただ安くておいしいワインというだけではコスパがいいと言えないところがワインの難しいところで、面白いところ。
→安旨
-
品種
カベルネ・フラン
CF:ボルドーの補助品種としてよく知られているほか、北方のロワールでは単一品種で仕立てられる場合もある。カベルネ・ソーヴィニヨンよりは軽やかな味わいを持ち、ロワールでは独特のピーマン香を放つワインとなる。元を辿れば、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのボルドーでよく使われる品種の祖先にあたる。このピーマン香が癖になるらしい。
カベルネ・ソーヴィニヨン
CS:ボルドーの主要品種にして世界で一番有名と言っても過言ではないブドウ品種。偉大なワインを多く生み出すため赤ワイン用品種の王様的存在という表現も見られる。しっかりとしたタンニンや酸味のバランスが良く、造り手によっても表現される味わいが違う。ボルドーのほか、イタリアやアメリカ、チリでも大成功を収めている。
類語:カベソー、チリカベ
→ボルドーブレンド
メルロー
M:ボルドー、もう一つの主要品種。サンテミリオンやポムロルなどボルドー右岸地域でよく使用され、産地によって味わいが異なるが、まろやかで口当たりがよくソフトなワインとなる。環境適応力が高く、産地を選ばないため、広い地域で栽培されている。日本でも栽培され長野や山梨が有名。
ピノ・ノワール
PN:ブルゴーニュ原産で世界で一番高いワインを生み出す品種。他にもシャンパーニュの主要品種となっている。栽培が非常に難しくかつてはブルゴーニュ以外での栽培は出来ない、とされていたが現在ではニュージーランドやアメリカを筆頭に、ニューワールドでも栽培され、日本でもわずかながら、栽培されている。繊細な口当たりと華やかな香りで赤ワイン用品種の女王と呼ばれる。この品種にはまると飛ぶようにお金が無くなる。
類語:カリピノ、ブルピノ
→ロマネ・コンティ
シラー
SY:フランス、コート・デュ・ローヌ地方原産で単一でもブレンドでも使用される個性派品種。フランス、特にローヌでは色が濃く、黒コショウのようなスパイシーな香り、酸味が強く、タンニンが中庸というエレガントな特徴を持つ。しかしオーストラリアで派生したともいえるシラーズは甘やかな香りでフルーティ、ボリューム感が特徴でワインのスタイルは異なる。近年の研究でピノ・ノワールの遠い親戚らしい、とされている。ちなみに筆者はシラーズの方が好み。
→GSMブレンド
シュナンブラン
CB:フランス、ロワール地方原産のスパークリングワインから、長命な甘口ワインまで多種多様なワインに使用される品種。テロワールや生産者の技術を反映しやすいとされ、ニュートラルな性質を持つ。近年、南アフリカのワインが特に高評価で、パイナップルなどのトロピカルフルーツの果実香や味わいを持つ。
シャルドネ
CH:白ワイン品種の女王と称される世界で一番有名な白ワイン用品種。ワインを造る産地では必ず、と言っていいほど栽培され、その地の個性をよく反映することからテロワールの鏡とも言われる。発祥はブルゴーニュのマコネ地区でデイリーワインから世界でもトップクラスのワインまで味わいもスタイルも様々なワインを生み出す。ソムリエ資格のテイスティング試験で、筆者は「特徴がないのが特徴」と覚えた。(結局出題されず)
→シャブリ
リースリング
RL:ドイツのラインガウ地方が原産でドイツで最も重要な品種。石油製品のような独特のペトロール香を持ち、鋭い酸や繊細な果実味が特徴。糖度によってランクが決められるドイツでは甘口に仕立てられることが多く、その残糖分と強い酸もあいまって唯一無二の存在感を醸し出し、また長命なワインとしても有名です。フランスではドイツとの国境産地アルザスが有名でこちらは辛口が主流、最近ではオーストラリアやアメリカのリースリングをよく見かける。
ソーヴィニヨン・ブラン
SB:ロワールやボルドーが起源とされているが、定かではなく、カベルネ・ソーヴィニヨンの親にあたる品種。フュメ・ブラン、ブラン・フュメなどとも呼ばれ、世界各地に植えられている。ハーブやグレープフルーツのような鮮烈な香りを持ち、時には猫のおしっことも表現されるほど香りに特徴がある。フランスではサンセールやプイィ・フュメ、ニューワールドではニュージーランドがとくに有名。筆者をワインの道に引きずり込んだのこの品種。
セミヨン
SM:世界最高峰の極甘口ワイン、ソーテルヌに使用される品種。そのソーテルヌ地区を原産地とし、ボルドーのグラーヴ地区などではソーヴィニヨン・ブランと補完的な関係にある。コクや厚みと言った部分に特徴があるため、真逆の性質を持つソーヴィニヨン・ブランとの相性がいい。あまり単品で仕立てられているのを見かけない。
→シャトー・ディケム