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家系図 セパージュ - Coggle Diagram
家系図 セパージュ
オーストラリア
シラーズ・ヴィオニエ
コート・ロティでも見たブレンドです。ただこちらは自然発生的なものでは無さそうで、ローヌをリスペクトする生産者がわざわざふたつとも育てて、造り上げるといったパターンです。
ワインを造り上げる際の関係性はコート・ロティと同じです。オーストラリアも厚いところは暑いですからね。
カベルネ・シラーズ
オーストラリアと言えばシラーズ。それと超人気国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨン。
ピノ・ノワールのひ孫と推定されるシラーズ(シラー)と家系図を見れば一目瞭然、カベルネ・ソーヴィニヨンもひ孫なんですねえ。
とはいえ遺伝子的には遠いほぼ他人ですが、特にけんかをすることもなく、ひとつのボトルに収まっている所をよく見かけます。特に安いレンジのワインに多いブレンドですね。
やはり同じ土地で育つと、似通ってくるのでしょうか。一体感を感じるワインが出来上がります。
ボルドーブレンド
もちろんオーストラリアにもボルドー・ブレンドが存在します。
ただどこでも作っているという訳ではなく、ちゃんとボルドー系品種に適した生産地で造られている、という印象です。
具体的にはマーガレット・リヴァーなどがそれにあたります。クナワラなどにもあるでしょうか。
セミヨン・ソーヴィニヨンブラン
一見ボルドー・ブランのように見えますが、実はセミヨンの方が割合が多く、味わいもよりフルーティなトロピカルフルーツのような味わいがします。
そもそもオーストラリアのセミヨンはハンターセミヨンに代表されるように(もちろん極端な例ではありますが・・・)綺麗な酸味を残します。
ボルドーのようにはちみつのようなコクは出ません。出さないのかもしれません。
両者の味わいとしては親和性のあるものともいえます。
シャルドネ・ピノノワール泡
オーストラリアでスパークリングワインとなると特有のシラーズから造られる赤スパークリングを除けば、このふたつの品種でほぼ造られています、
シャンパーニュから連綿と続くスパークリングワイン伝説のコンビですね。
チリ
カルメネール・メルロー
親違いの兄弟はチリでタッグを組んでひとつのワインを造り上げています。原産地ボルドーではこのセパージュはまず見かけません。
実は味わいもかなり似ているため(というかほぼ同じ?)一体感があるワインになります。
シャルドネ・ソーヴィニヨン・ブラン
白の二大人気品種を合わせてみました!というような組み合わせ。これがなかなかどうしてバランスが取れているんですね。
チリのような熱い国だとシャルドネはコクや厚みを出すブドウとして使われます。逆にソーヴィニヨン・ブランは冷涼地じゃないとあまり育たないので、暑い国でも涼しいところに植えられるため割といつも通り。
つまりボルドーブランのセミヨンがシャルドネに変わったような感覚。もっとフルーティな感じにはなりますが。
エースを2枚並べても機能することがあるんですね。
ボルドーらしきブレンド
御多聞の例にもれず、チリにもボルドーブレンドは存在します。
ただちょっとだけ変形があって、メルローではなくカルメネールが使われていたり、カルメネールが主体だったりします。
まあカルメネールがメルローと間違えられていたことを考えると、妥当かもしれません。
特にアルマヴィーヴァ、セーニャ、クロ・アパルタなどがチリのボルドー・ブレンドとして有名です。
その他
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シュナン・ブラン・ヴィオニエ
南アフリカでよく見られるブレンドです。と思っていたら、一部アメリカでも作っているのを発見しました。びっくりです。
ピノ・ノワールから見れば、シュナン・ブランは孫、ヴィオニエはひ孫。ちょっと見当たる関係性を表す日本語が見当たりません。
だいぶ遠いですが、両方ともアロマティックな香りを出す品種というところは似ていますね。
甲州シャルドネ
日本固有のブドウ品種甲州。研究の末、ヴィニフェラ系の遺伝子を持つことが判明しました。
一部日本のワイナリーでは甲州のおしとやかすぎる個性を補うため、シャルドネとブレンドしているところがあります。
遺伝子的にはかなーり遠いのでしょうが、お互いにないものを持っている、ダイナミックな補完関係を表しているともいえます。
ボルドーブレンド
世界で一番有名と言っても全くもって過言ではないボルドーブレンド。
一部例外はありますが、基本的にはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、マルベック、カルメネールで構成されています。
家系図を見てもらうとわかるのですが、マルベックとプティ・ヴェルドを除く4品種はすべてカベルネ・フランの家系です。かつマルベックはメルローと親違いの兄弟ということが分かります。
ボルドーブレンドは味わいから見ても、ダイナミックさというよりかは一貫した芯を持ったワインということを感じるときがあります。
そういった一体感というのはやはり遺伝子が似通っているから出るということの表れでしょうか。
ちなみにプティ・ヴェルドはフランス南西部が原産、ということ以外不明です。
コート・ロティ
フランスのワインの中でも少し特異な存在であるコート・ロティ。
黒ブドウであるシラーと白ブドウであるヴィオニエをブレンドできる産地です。日差しが強く、あまりにもシラーズが完熟するため和らげるためにヴィオニエを混ぜる、と言われています。
シラーはピノ・ノワールのひ孫と推定され、ヴィオニエはそのシラーの兄弟とされています。
どちらもローヌ地方の原産とされているため、昔からコート・ロティ周辺で育てられていて、昔からブレンドされてきたのでしょう。それがAOCに反映されたという形でしょうか。
シャンパーニュ
さてシャンパーニュのお話です。
ここでは家系図から見るブドウ品種、ということで熟成期間や生産形態は割愛します。
さて認定品種のなかで最も有名なのが、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ。ほとんどのシャンパーニュはこの3種類から造られていると言っても過言ではありません。
しかし実はこのほかにも4種類のブドウが認められていて、それがピノ・ブラン、ピノ・グリ、アルバンヌ、プティ・メリエ。
ピノ系品種がほぼすべて入っています。この辺りはくとー・ブルギニヨンにも似ていますね。それだけピノ・ノワールは突然変異しやすく、それを分けることが難しいのでしょう。
問題はこのプティ・メリエ。なんと前回大暴れした「やんちゃな嫌われ者の父」グエ・ブランとサヴァニャンの交配品種と言われているそうです!こんなところにも出てきてしまいました。大活躍ですね。
そして問題がもうひとつ。実はこのピノ・ムニエ。最近の研究でピノ系品種とはDNA的に系統の違う品種と、研究結果が発表されました、いまでは単にムニエと呼ばれることもあるようです。
こんなこともあるんですねー。
ちなみに極少量ですが、ピノ・ブラン100%やピノ・グリ100%で造られたシャンパーニュも存在します。
コトー・ブルギニヨン白
ブルゴーニュ地方の広域AOCのひとつコトー・ブルギニヨン。
その白はシャルドネとアリゴテだけだで造られると思っていませんか?いやもちろんそっちの方が圧倒的に多いのですが。
実はムロン・ド・ブルゴーニュ、ピノ・ブラン、ピノ・グリも使うことが許されています。
ここで家系図を見てみましょう。ムロン・ド・ブルゴーニュとはミュスカデのこと、ピノ・ブランとピノ・グリはピノ・ノワールの突然変異と見られているもの。
なんとピノ・ノワールの周辺ですべて賄われてしまっています。
もちろんフランスなので、AOCありきでブドウを栽培しているという面もあるでしょうが、ちょっとロマンを感じませんか?
コトー・ブルギニヨン赤
こちらはコトー・ブルギニヨンの赤。同じくブルゴーニュ広域AOCです。
こちらは皆さんが思っている通り、ピノ・ノワールとガメイが主体です。
このAOCに関しては特にいうこともありません。親子のきずなで造り上げる親しみやすいブルゴーニュというところ。
必ずブレンドしなくてはならないという訳ではないので、ガメイ100%のワインもよく見られます。逆にピノ・ノワール100%はほとんど見ません。
ボルドーブラン
赤ワインとは反対にダイナミックな補完関係を持つのがボルドー・ブラン。
主にソーヴィニヨン・ブランとセミヨン、ミュスカデル、ソーヴィニヨン・グリが使われます。
よく見かけるのがソーヴィニヨン・ブラン×セミヨン。セミヨンの起源の情報が全く見つからなかったため、断定はできませんが味わいや特徴から察するにソーヴィニヨン・ブランからは縁遠そう。それが逆に酸と香りのソーヴィニヨン・ブラン、厚みとコクのセミヨンとお互いの個性を補完しあう関係性、つまり複雑味のあるワインを生み出すことに繋がっていると思われます、
ちなみにソーヴィニヨン・グリはソーヴィニヨン・ブランの突然変異と見られ、ボルドーでもごくたまにブレンドされているのを見かけます。
アルザス
戦争や政治的な部分でドイツの文化が出たり入ったりしていたアルザス。フランスに帰属している今でもドイツ風の地名や料理が街をにぎわせています。
もちろんワインやブドウ品種もドイツ系品種を使っていたり、一部ワインの評価にも影響が色濃く残っていたり、とユニークな特徴を持ちます。
アルザス高貴4品種と呼ばれるリースリング、ピノ・グリ、ミュスカ、ゲヴェルツトラミネールの他、ピノ・ブランやピノ・ノワールも使われます。
ほとんどが単一品種でワインに仕立てられるため、あまりブレンドとは関係ないかと思いきや、実はこの地方特有のワインがあるんです。
それがジョンティやエーデルツヴィッカーと呼ばれる白ワインです。両者はとても細かく分類すると微妙に違いがあるようですが、ここでは割愛します。
注目ポイントはその多彩なブドウ品種。生産者によって考え方があり、使用品種も違いますが。その品種を使っても遺伝子的に近いものがあまりなく、ダイナミックな味わいの構成になるのが分かります。
高貴品種でもピノ・ノワールの変異種ピノ・グリとサヴァニャンの突然変異種ゲヴェルツトラミネールでは味わいの方向性が違いますし、リースリングなんてピノ・ノワールの孫なんで、もっと遠い。ミュスカに至ってはそもそも違うファミリーの様です。
それらを一つにまとめる土壌のダイナミズム、まさに様々なものが入ってきても今日まで文化を守り続けるアルザスらしいワインだと思いませんか?
クレマン
さて今回非常に複雑なのがこのクレマン。
クレマンには
・クレマン・ド・ブルゴーニュ
・クレマン・ド・ボルドー
・クレマン・ダルザス
・クレマン・ド・ロワール
・クレマン・ド・ジュラ
・クレマン・ド。サヴォワ
・クレマン・ド・リムー
・クレマン・ド・ディー
の8つがあります。
細かい規定は置いといて、ヴァン・ムスーとは違う規定を持っています。
そいてこのAOCの面白いところは、ちょっと特殊なクレマン・ド・ディー、やっぱりカベルネ・フランの家族が席巻しているクレマン・ド・ボルドー以外すべてにシャルドネとピノ・ノワールが認定品種に入っていること。
もちろん全部が全部主要品種という訳ではなく、クレマン・ダルザスのようにリースリングやピノ・ブランを混ぜて特色を出すパターンの一方、ジュラのようにシャルドネを主に使い土壌の特徴を出すパターンもあります。
ここからは個人的な見解ですが、シャルドネとピノ・ノワールを使う瓶内二次発酵のスパークリングと言えば?そうシャンパーニュですね。クレマンは後追いのAOCです。シャンパーニュのような泡を作ってマーケティング的に売り出そう、という意味では既に技術のあるシャルドネとピノ・ノワールを認定品種に加える、というのは生産者のしたたかさを感じます。
もっと詳しい人が見ていて違う意見を持っていても、怒らないでください。
ロワール
正直ロワールと一口に言っても多種多様に過ぎる産地があるので、代表的なものを紹介します。
ロワールはフランス最長の河川ロワール川に沿った渓谷に広がる産地でとても範囲が広く、土壌もブドウ品種も多岐にわたります。
文化の交流展にあたるのか、いままでのカベルネ・フランのファミリーと、ピノ・ノワールのファミリーが入り混じるAOCが多数存在します。
沿岸側から中流域くらいまでは、カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンを使った赤やミュスカデやシュナン・ブランの単一品種ワインが主力です。
しかしもうちょっと上流に行くと、カベルネ・フランに補助品種としてガメイやピノ・ノワールを混ぜることのできるAOCトゥーレーヌが現れたり、ピノ・ノワール主体に、カベルネ・フランやマルベックを補助品種にしたシュヴェルニイが現れます。
そしてまさにフランス中央部にあたるロワール川上流では今度はピノ・ノワールやガメイで造られるワインの産地が顔を出します。具体的に言えば、サンセールです。
この辺りはブルゴーニュに近いため、ピノ・ノワールやガメイが多いのでしょう。なぜか白は軒並みソーヴィニヨン・ブランですが。
また港の方は昔から人や物の往来が激しく、さまざまな文化が入ってきたと思われます。ミュスカデがブルゴーニュから入ってきて、根付いたように、ボルドーからカベルネ系の品種が入ってきてもおかしくないのではないでしょうか。
アルタ・ランガ
フランチャコルタに肩を並べる高級スパークリングワイン産地、アルタ・ランガ。
瓶内熟成期間最低30カ月(!?)というとてつもない規定を貸していることでも有名なイタリア新進気鋭の瓶内二次発酵スパークリングです。
ブドウ品種はやはりシャンパーニュやフランチャコルタと同様にシャルドネとピノ・ノワール。
この鉄板の組み合わせは万国共通の様です。たまに日本ワインでも見かけますね。
フランチャコルタ
近年急激に知名度を上げているイタリア高級スパークリング、フランチャコルタ。
使用品種はシャルドネ、ピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)、ピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)
ほぼシャンパーニュと同じと言っても差し支えはないと思います。
ワイン生産地として長い歴史を持つフランチャコルタから、マーケティング観点によりシャンパーニュの対抗馬として生まれましたがが、品質はピカイチ。
寒冷地であるシャンパーニュに比べブドウ栽培に最適な条件を揃え、方向性が違うスパークリングワインに仕上がります。
スーパータスカン
スーパータスカンは地名じゃないんですが、ボルドーブレンドに大きくかかわるので掲載。
トスカーナ州で生まれた世界的に有名なワイン、それがスーパータスカンはいくつかのワイナリーが当てはまりますが、その共通点はカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどの国際品種の使用。
スーパータスカン御三家サッシカイア、オルネライア、ソライアはすべてカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを使用しています。
サッシカイア、オルネライアは典型的なボルドーブレンドですが、ソライアはサンジョヴェーゼを取り入れています、
ドイツ
人工交配品種の多いドイツ系のブドウ品種。「やんちゃな嫌われ者の父」グエ・ブランの子孫であるリースリングを中心にミュラー・トゥルガウやケルナーなどのドイツらしいブドウと、ドイツではブルグンダー(ブルゴーニュの意)系のヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)やグラウブルグンダー(ピノ・グリ)などがよく使われています。近年では固有品種より国際品種の栽培面積の伸びが顕著です。
国際品種系は比較的単一品種で仕立てられる傾向にありますが、ドイツ固有品種はブレンドにも使われます。
よく見抱えるのがリープフラウミルヒ。「聖母の乳」という意味の半甘口くらいのとても飲みやすいワインです。主にリースリングとミュラー・トゥルガウから造られ、一部ケルナーも入ります。親子なので、味わいに複雑味があるタイプではなく、統制の取れたシンプルなタイプですね。
黒猫ラベルが特徴のシュベルツ・カッツもリースリングとミュラー・トゥルガウから造られるライトな甘口として有名です。
ちなみにこのシュバルツ・カッツにはスパくリングワインもあります。