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PTSDにまつわる基礎知識 『心理社会的ケアマニュアル』 桑山紀彦 福村出版 2017年 (PTSDの症状 (Avoidance…
PTSDにまつわる基礎知識
『心理社会的ケアマニュアル』
桑山紀彦
福村出版 2017年
トラウマ
本書
「命を脅かすような恐怖とショックを伴う出来事による精神的な外傷」
強い精神的負荷を伴うストレス状態
肉親を失う
家財を失う
仕事を失う
トラウマ
心的外傷
トラウマの原因になる出来事は、トラウマそのものではない。
ある出来事によって受けた精神的ダメージ
死と直面する体験はナイフそのものであり、
それによって傷ついた心の状態をトラウマと呼ぶ。
回復の三段階
第一段階
安心と安全の確保
大前提
もう二度とあんな目に遭うことはないという保障
第二段階
語りと服喪追悼
表現
心の中にあること
語り
形にする
様々な手法
様々な被害に対して自分の心を向き合わせることになる。
命の危険を感じさせたような大きな被害による心の傷は、
放っておいても時間と共に忘れたり、
癒えたりするものではない。
あまりに大きい「死を意識した」心の傷を負うと、「自然と忘れていける」閾値(しきいち)を超えているために、忘れているように見えても忘れることはできず、その後遺症に苦しめられる。
第三段階
社会との再結合
目標
この世に自分が生きている価値があると感じられること
被害者
自分だけがマイノリティになったような
強い孤独感に襲われている。
その気持ちを抱えたままでは、
本当の心の復活はない。
PTSD
心的外傷後ストレス障害
心の傷の後遺症
心的外傷
障害を引き起こす
記憶
感情
人生を破壊する
時間と共に忘れていくことを期待しても、錯綜した時系列と感情の解離現象を逆手にとって人を苦しめてくる。
心の中で整理しにくい存在だから、人は強く苦しむことになる。
向き合う
心的外傷と向き合うことは、記憶を順番に並べ、それに伴っているはずの感情をくっつけて物語にすることに有効だ。
サイコロジカル・ファーストエイド
「物語になることを拒否している」
PTSDにつながる病態
記憶の錯綜、抜け落ち現象
強い心的外傷を受けた時の記憶
一部が抜け落ちる
時系列が入れ替わるなど、時間の感覚があやふやになる。
その記憶は「物語」となることを拒否し、孤立していて断片的な「映像性の優位な記憶」となり、人を苦しめる。
記憶と感情の解離現象
その記憶によって苦しめられる一方で、その心的外傷の記憶に本来くっついているはずの感情(情動)は解離し、一緒になっていない。
記憶にまつわる感情を見失っているので、その記憶はますます物語性を失い、語ることが難しくなる。
私のトラウマ
人間それ自体
PTSDの症状
Avoidance
回避
心的外傷の原因となった出来事に関することを
避けようとする心の動き。
辛い出来事を避けようとする傾向が過剰で、長期間にわたって続くと症状となり、病気と診断される。
人間の適応力
ゆっくりと時間とともに心を自己修復する。
心的外傷の度合いがあまりにひどいと、人間の適応力では対応しきれなくなり、いつまでもその出来事に関連することを避けようとするようになる。
回避
Invasion
侵入
再体験
悪夢
フラッシュバック
「映画を観ているような」感じで映像が浮かび上がる
見えた瞬間は思わずびっくりして、どうしていいかわからずぼんやりしてしまう様子が観察される。
悪夢ほど頻繁には現れない
Hyper-arousal
過覚醒
身体が過剰に反応している状態が続いていること
自律神経の乱れ
高血圧
不眠
6か月以上
PTSDの疑いあり
思い当たる症状が一つだけでも、気を付けるべき症状群であり、放っておくと時間が過ぎるほどに症状が悪化していく場合が多いので、注意が必要。
心理社会的ケア
こういった症状の予防、または軽減させる
心理社会的ケアの役割
心理社会的ケア
「語りと服喪追悼」の段階を推し進める
服喪追悼
奉納
自分の物語を世の中に出す
心理社会的ケアの概念
第一段階
Security
確保
安心
安全
保証
「もう二度とあの様なことはない」
第二段階
Talking and Mourning
語り
表現する
様々な表現方法
二次元表現
三次元表現
四次元表現
服喪追悼
語りつくし、自分の物語として完成させ、奉納する。
第三段階
Human Commonality
社会との再結合
社会に自分が存在してもいい、自分はこの社会の役に立つ人間だという感覚を取り戻す。