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問題58(B)各種会社の社員の投下資本回収方法について,以下の各問に答えなさい。
問題1株式会社の株主の投下資本回収方法は会社法上どのように保…
問題58(B)各種会社の社員の投下資本回収方法について,以下の各問に答えなさい。
問題1株式会社の株主の投下資本回収方法は会社法上どのように保障されているか述べよ。
問題2合名会社の社員の投下資本回収方法は会社法上どのように保障されているか述べよ。
問題3合同会社の社員の投下資本回収方法は会社法上どのように保障されているか述べよ。
問題1
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2.株式譲渡自由の原則の必要性・許容性
株主は有限責任(104条)を負うにすぎない
→債権者にとっては会社財産のほかには債権を回収する際に引き当てられるものはない
→資本維持の原則の下,原則として出資の払い戻しは認められていない
→譲渡自由を認める必要がある
∵株主の投下資本回収手段を保障
→譲渡自由を認めても不都合がないため許容される
∵株主の個性が重視されないため,譲渡を認めても会社や他の株主・債権者に影響を与えない
3.譲渡制限株式の発行
・わが国の株式会社の大多数は閉鎖的な会社
→信頼関係のない者が株主となることに抵抗がある
→会社にとって好ましくない者の参加を防止し,もって会社経営の安定を図る
・譲渡制限株式の発行が認められている(107条1項1号,108条1項4号)
→株式会社または指定買取人が買取ることを請求すること(138条1号ハ2号ハ)を認めている
∵投下資本回収の手段を保障しているのである。
問題2
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2.持分譲渡の制限
合名会社
→原則各社員が業務執行権(590条1項)および代表権(599条1項本文)を有している
∵持分会社の社員間に人的信頼関係が存在し,その個性が重視されるため
→持分の譲渡を自由に認めることはできない
→持分の譲渡は,原則として他の社員の全員の承諾が必要となる(585条1項)
3.出資の払戻し・退社の払戻しの制限がない理由
・合名会社は直接無限責任社員(580条1項)のみからなる(576条2項)
→出資の払戻しについて制限をする必要はない
・退社員の責任(612条1項)が法定されている
→退社に伴う持分の払戻しを認めても債権者との関係においても問題はない
・出資の払戻しに制限なし(624条)
・任意退社(606条)が認められたうえで退社に伴う持分の払戻しについても制限なし(611条)
→投下資本回収の手段を保障している
問題3
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2.合同会社における特則
・合同会社の社員は有限責任(576条4項)を負うにすぎない
→債権者保護の必要性
→定款を変更して出資の価額を減少する場合にのみ出資の払戻しの請求ができる(632条1項)
→出資払戻額が剰余金額等を超える場合には,出資の払戻しをすることができない(632条2項)
・出資の払戻しや持分の払戻しをするために資本金の額を減少する場合
・持分払戻額が当該持分払戻日における剰余金額を超える場合
→債権者異議手続が必要となる(626条1項,627条1項,635条1項)。