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62b既存の株式会社を完全子会社にする方法 (株式全部を買い取る方法 (当該方法の内容 (既存の乙会社を既存の甲会社の完全子会社とするには、乙会社の…
62b既存の株式会社を完全子会社にする方法
株式全部を買い取る方法
当該方法の内容
既存の乙会社を既存の甲会社の完全子会社とするには、乙会社の発行済株式全部を甲会社が取得すればよい
そこで、第一に、甲会社が乙会社の株主から乙会社の株式全部を買い取る方法が考えられる
不利な点
この方法は、通常は甲会社において多額の買取資金を必要とし、また、乙会社の株主が一人でも株式譲渡を拒否すると目的を達成できない
手続
手続は、甲会社にとって
「重要な財産の…譲受」にあたり、
甲会社において取締役会決議が必要となる
(362条4項1号)場合がある
第三者割当てで募集株式を発行し、乙社株式を現物出資してもらう方法
当該方法の内容
第二に、甲会社が会社株主全員に第三者割当てで募集株式を発行等し、乙会社株主に保有株式を現物出資してもらう方法が考えられる
有利な点と不利な点
この方法は、甲会社は多額の資金を必要としないが、
現物出資規制(207条)を受ける場合は、
検査役の調査に相当の期間を要し、
また、乙会社の株主が一人でも
第三者割当てに応じないと目的を達成できない
手続
手続は、公開会社である甲会社が募集株式の発行等を行うから、原則として取締役会決議が必要となる(201条1項、199条2項)
全部取得条項付種類株式を利用して乙社株式を全部取得し、甲社に新たに株式を発行する方法
当該方法の内容
第三に、乙会社の発行済株式全部に
全部取得条項付種類株式(108条1項7号)の内容を追加して、
乙会社が当該種類株式を取得し、甲会社に新たに募集株式を発行等することが考えられる
有利な点と不利な点
この方法は、乙会社において、すべてを株主総会と種類株主総会の特別決議でできる点で、無償ないし多額の資金を必要としない対価で済めば、簡易である
しかし、乙会社は反対株主の株式買取請求に
応じる必要があり(116条1項2号)
また、乙会社が財源規制(461条1項4号)の課される対価を交付する場合は、分配可能額がなければできない
手続
乙会社側の手続は、乙会社が種類株式発行会社でない場合は、他の種類株式の内容を定めるために株主総会特別決議により定款変更を行い(466条、309条2項11号)、
後述する全部取得条項付種類株式の取得を条件に甲会社に当該種類株式を発行する手続をとる
次に、定款変更のための株主総会特別決議
(466条、309条2項11号)に加えて、
種類株主総会特別決議により発行済株式全部に
全部取得条項付種類株式の内容を追加するための定款変更を行う
(111条2項、324条2項1号)
そして、最後に株主総会特別決議により無償ないし乙会社株式以外のものを対価として全部取得条項付種類株式を取得する(171条1項、309条2項3号)
甲会社側の手続は、甲会社が募集株式を引き受ける行為が「重要な財産の…譲受」に準じる場合は、取締役会決議が必要となる
株式交換による方法
当該方法の内容
第四に、乙会社が発行済株式の全部を甲会社に取得させる株式交換(2条31号)によることが考えられる
この方法は、原則として両会社において株主総会特別決議ででき、
有利な点と不利な点
甲会社を対価として乙会社の株主に交付すれば、
甲会社は多額の資金を必要としない
また、第三の方法と違って、乙会社側に財源規制が課されることもない
しかし、両会社は反対株主の
株式買取請求に応じる必要があり
(785条、797条)、
また、乙会社は一定の新株予約権者の
新株予約権買取請求に応じる必要があり
(787条1項3号)、
さらに一定の場合は、乙会社は新株予約権付社債の社債権者に(789条1項3号)、甲会社は全債権者に(799条1項3号)、
債権者異議手続をとる必要がある
手続
手続は、原則として両会社において株主総会特別決議ででき(783条1項、795条1項、309条2項12号)、
甲会社は乙会社の株主に対して
甲会社の株式等を対価として交付し(768条1項2号)
乙会社の株主が有する株式の全部を甲会社が取得する(769条1項)