Please enable JavaScript.
Coggle requires JavaScript to display documents.
61a事業譲渡と吸収分割の比較 (事業の重要な一部の譲渡 (A社の株主の利益保護 (A社の債権者の利益保護 (免責的債務引受には債権者の …
61a事業譲渡と吸収分割の比較
事業の重要な一部の譲渡
A社の株主の利益保護
原則として株主総会特別決議(例外2つ)・趣旨
事業の重要な一部を譲渡することは、譲渡会社の運命に重大な影響を及ぼし、譲渡会社の株主の利益に重大な影響を及ぼす
そこで、A会社の株主の利益保護のため、一定の場合(468条1項、467条1項2号かっこ書)を除き、
A会社の株主総会の特別決議が必要とされ
(467条1項2号、309条2項11号)、
反対株主には原則として
株式買取請求権が認められている(469条1項)
A社の債権者の利益保護
免責的債務引受には債権者の
個別的同意が必要(民法の解釈)
譲渡する事業を構成する債務を
免責的にB会社に移転するには、
民法の解釈に従って、債権者の個別的同意が必要となる
したがって、会社法上は債権者異議手続は設けられていない
B社にも弁済請求できる場合
ただし、債務を移転しない場合でも、
B会社がA会社の債務引受の広告をした場合は、
A会社の債権者の利益保護のため、
A会社の債権者はB会社にも弁済請求ができる
(22条1項、23条1項)
また、当該事業譲渡が詐害事業譲渡である場合で
B会社が悪意のときは、
A会社の債権者は、B会社に対して、承継した財産の価額を限度として履行請求ができる(23条の2第1項)
B社の利益保護
A社の競業避止義務
事業譲渡の実効性を確保し
譲受会社であるB会社の利益を保護するため、
譲渡会社であるA会社は、
原則として20年間は一定の区域内において同一事業を行うことができないという競業避止義務を負う(21条)
吸収分割
両者の債権者の利益保護
両社の事前開示・事後開示義務
このほか、両会社とも、債権者に異議を述べるかどうかの判断資料を与えるため、一定の事項について事前および事後開示をしなければならない(782条、794条、791条、801条)
債権者異議手続の内容
まず、両会社は、一定の手続を経たうえで、異議を述べた債権者には弁済等をしなければならない(789条、799条)
ただし、C会社はD会社から分割対価の交付を受けているので、分割後もC会社に対して債務の履行を請求できるC会社の債権者には、
原則として当該手続は不要である(789条1項2号。ただ、当該吸収分割が詐害分割である場合でD会社が悪意のときは、C会社の債権者は、D会社に対して、承継した財産の価額を限度として履行請求ができる。759条4項)
また、格別の催告を受けなかったC会社の債権者に対して、C会社とD会社は連帯債務を負う(759条2項3項)
C社の一定の債権者とD社の全債権者に
債権者異議手続が必要な点・趣旨・事業譲渡との違い
事業譲渡は取引法上の行為であるが、吸収分割は組織法上の行為であり、組織法上特別な要件・効果が規定されている
本問の吸収分割でみれば、分割会社であるC会社の債務は、
分割契約に従ってC会社の債権者の個別的同意なしに
C会社とD会社に振り分けられる
したがって、吸収分割後のC会社に債務の履行を請求できないC会社の債権者は、債務者の交替に伴い重大な影響を受ける
そこで、C会社の一定の債権者とD会社の全債権者に対して、次のような債権者異議手続が要求されている
吸収分割無効の訴えの提起権
また、吸収分割に瑕疵がある場合は、一定の会社債権者は、吸収分割無効の訴えを提起できる(828条1項9号2項9号)