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59a各種会社の比較(債権者保護の態様) (株主会社の債権者保護の態様 (会社財産を確保するための制度 (会社財産流出防止制度) (分配可能額規制…
59a各種会社の比較(債権者保護の態様)
株主会社の債権者保護の態様
会社財産を確保するための制度
(会社財産流出防止制度)
分配可能額規制
株式会社は、
大規模会社を実現できる企業形態であり、
会社債権者も多数になることが想定される
しかし、株主は間接有限責任しか負わない(104条)
461条1項の分配可能額規制に
違反した場合の関係者の責任
そこで、会社債権者保護の観点から、
会社財産の実質的な払戻を厳格に規制しており、
剰余金の配当や自己株式の取得を行う場合に分配可能額規制を課している(461条1項、166条1項ただし書、170条5項)
剰余金の配当についての
純資産額による規制
このうち461条1項の分配可能額制限に違反した場合は、株主・業務執行者等は、会社に対して、交付された金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負い(462条1項)
会社債権者も、株主に対して、自己の債権額の範囲内で、上記金銭を支払わせることができる(463条2項)
準備金の計上義務
さらに。純資産額が300万円を下回る場合は
剰余金の配当はできないし(458条)、
準備金の計上義務もある(445条4項)
資本金の額の減少・準備金の額の減少を
する場合の債権者異議手続の要求
また、資本金の額や準備金の額を減少すると
分配可能額が増加するので、その場合は、
原則として(資本金の額の減少の場合は例外なく)債権者異議手続が必要となる(449条)
計算書類の作成
計算に関する詳細な規定の設置
次に、分配可能額規制の前提として、分配可能額の算定が適正に行われる必要がある
計算書類の作成義務あり
そこで、会社法は、計算に関して詳細な規定を設け(431条以下)、株式会社に正確な計算書類の作成を義務付けている
計算書類の開示
会社債権者に計算書類の
閲覧等請求権あり
さらに、会社債権者に会社の
財務状況が開示されないと、
取引の可否や債権回収の実行等の判断を適切に行えない
計算書類の公告義務あり
そこで、会社法は会社債権者に
計算書類の閲覧等請求権を与え
(442条3項)、
原則として会社に計算書類の公告を義務付けている(440条)
合名会社・合資会社の債権者保護の態様
会社財産を確保するための制度
(会社財産流出防止制度)
規制なし
株式会社に対して、合名会社と合資会社は、小規模会社を予定した企業形態であり、通常、会社債権者も少数である
しかも、無限責任社員がいるから(576条2項3項)、
会社債権者を保護する必要性に乏しい
このため、会社財産の流出防止についての規制はなく、
計算書類の作成
計算書類の作成義務あり
また、計算書類の作成は義務付けられているが(617条)
計算書類の開示
開示制度自体なし
会社債権者に対する開示制度はない
合同会社の債権者保護の態様
会社財産を確保するための制度
(会社財産流出防止制度)
利益配当・出資の払戻規制
ただし、合同会社では、
有限責任社員しかいないため(576条4項)、
会社財産を確保して会社債権者を保護する必要性が高い
債権者異議手続の要求
出資の払戻・持分の払戻のために
資本金額を減少する場合
そこで、会社法は、
利益の配当や出資の払戻を制限し(628条、632条)
持分払戻額が持分払戻日における
剰余金額を超える場合
また、持分払戻額が持分払戻日における
剰余金額を超える場合(635条1項)、
出資の払戻・持分の払戻のために
資本金額を減少する場合(626条1項、627条1項)
債権者異議手続を要求している
利益配当についての純資産額による規制なし・
準備金の計上義務なし
計算書類の作成
計算書類の作成義務あり
また、合同会社も計算書類の作成が義務付けられ(617条)
計算書類の開示
会社債権者に計算書類の
閲覧等請求権あり
会社債権者に計算書類の
閲覧等請求権が与えられている(625条)
計算書類の公告義務なし
ただし、合同会社は、
合名会社や合資会社と同様に、
小規模会社を予定しているため、
株式会社と異なり、
利益配当について純資産額による規制や
準備金の計上義務はなく、
また、計算書類の公告義務もない