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25a指名委員会等設置会社とそれ以外の会社の比較 (業務執行に関する比較 (相違点 (指名委員会等設置会社における業務執行…

- - - - 取締役会が必要機関とされ(327条1項1号)、取締役会が業務執行に関する決定・監督機関となる点で共通する(362条2項、416条1項)
  - - - そこで次のような違いがある
  - - - 指名委員会等設置会社では、
        執行役による業務執行と取締役会による監督が分離され、
        取締役の資格では業務執行ができず(415条)、
        
        執行役が業務を執行し(418条2号)、
        代表執行役が会社を代表する
        (420条3項、349条4項)
        
        取締役会の役割は基本的業務執行の決定と
        各委員・執行役・代表執行役の選任等の監督機能が中心となる
        
        そして取締役会の専決事項は限定列挙され、その他の業務執行の決定は執行役に広範に委任できる(416条4項)
    - - これに対して、指名委員会等設置会社以外の公開大会社(監査等委員会設置会社を除く)は、取締役会で取締役の中から選定された代表取締役(362条3項)が業務を執行し会社を代表する(363条1項1号、349条1項ただし書4項)
        
        取締役会の専決事項は例示にとどまり、合議体による慎重な判断を図るため、業務執行の決定の代表取締役等への委任は、重要な業務執行以外のものに限られる(362条4項)
- - - - そこで株主による監督に加えて、取締役会(327条1項1号)、会計監査人(328条1項2項、327条5項)の設置が強制される
        
        また、指名委員会等設置会社は指名委員会の三委員会が必要機関とされ(2条12号)、指名委員会等設置会社以外の公開大会社(監査等委員会設置会社を除く)は監査役会の設置が強制される(328条1項)
        
        両者ともこれらの機関による複数の方向からの監督・監査がなされる点で共通するが、次の点で異なる
  - - - 指名委員会等設置会社は、
        執行と監督の明確な分離に特徴がある
        
        そこで取締役会が執行役の職務執行を監督し(416条1項2号)、取締役会の内部機関である監査委員会が組織的に妥当性にまで及ぶ業務監査を行う(404条2項)
        
        そして監査機能の強化を実現するため、監査委員会は取締役3人以上で組織され、監査委員は過半数が社外取締役でなければならず(400条1項3項)、業務執行者との兼任が禁止されている(400条4項等)
    - - これに対して、
        指名委員会等設置会社以外の公開大会社(監査等委員会設置会社を除く)は、
        執行と監督が未分離で取締役会の監督には限界がある
        
        そこで取締役会による監督を補うため、
        監査役が独任制の機関として業務監査を行う(381条1項)
        
        そして監査機能の強化を実現するため、監査役会は監査役3人以上で組織され、監査役は半数以上が社外監査役でなければならず(335条3項)、取締役等の業務執行者との兼任が禁止されている(335条2項等)
        
        ただ監査役は監査役会の設置によっても独任制は否定されないが(390条2項柱書ただし書参照)、取締役である監査委員と異なり、業務執行の決定権限はないから、業務監査権は適法性監査にとどまると解する