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9c株主総会と取締役会の比較(招集手続・議決権の数および行使方法) (総論 (株主総会・取締役会の定義 (取締役会設置会社の株主総会は、 …
9c株主総会と取締役会の比較(招集手続・議決権の数および行使方法)
総論
株主総会・取締役会の定義
取締役会設置会社の株主総会は、
株主によって構成され、
会社の基本的重要事項につき
会社の意思を決定する必要的機関であり(295条2項)、
取締役会は、取締役全員で構成され、
業務執行の決定と取締役や執行役の
職務執行を監督する権限を有する機関である
(362条1項2項、399条の13第1項、416条1項)
両者はいずれも会社の意思決定機関であり会議体である
両者の基本的な相違点
しかし、株主総会は会社の実質的所有者である多数の株主によって構成され、会社の基本的重要事項を決定するのに対して、
取締役会は会社の合理的運営を確保するために、
経営を委任された少数の取締役によって構成され、
業務執行の決定と監督を行う
このように、両者は構成員の地位、性格、人数、権限に
違いがあることから、招集手続等について違いが生じる
招集手続
株主総会
招集通知の発出時期
原則として会日の2週間前までに
招集通知を発出しなければならず(299条1項)
招集通知の方式・議題等の記載の要否
招集通知は議題等を記載した書面または
電磁的方法でしなければならない(同条2項2号3項4項)
多数の株主に出席の機会と準備の余裕を与えるためである
非公開会社の特則
ただし、取締役会を設置している非公開会社の株主総会の招集通知は、
原則として会日の1週間前までに発出すればよい(同条1項かっこ書)
これは非公開会社は全部株式譲渡制限会社であり、
株主が少数かつ変動せず、会社・株主間の関係が緊密であるのが通常だからである
取締役会
招集通知の発出時期
招集通知の方式・議題等の記載の要否
取締役会の招集通知は、会日の1週間前までに発出すればよく、定款で期間の短縮も可能である(368条1項)
また、通知は口頭でもよく、
議題を示す必要もない
これは株主と違って、
取締役は会社経営にあたる受任者である以上、(330条)、
取締役会への出席は義務であり、
また、取締役は少数であるから、
株主総会ほど厳格な招集手続を要求しなくても
出席の機会は確保できるからである
議決権の数・行使方法
株主総会
議決権の数
(1株1議決権の資本多数決)
(308条1項)
株主総会では資本団体である株式会社における株主に資本的貢献度に応じた取扱いを実現する必要がある
議決権の代理行使(310条)、
書面投票・電子投票
(298条1項3号4号、311条、312条)は可能
株主総会は議決権行使の機会を保障する必要がある
株主総会では、自己株式取得の場合の売主
(140条3項、160条4項、175条2項)を除き、
特別利害関係株主も議決権を行使でき、
ただそれによって著しく不当な決議がなされた場合は
決議取消原因になる(831条1項3号)
株主総会では株主は会社の実質的所有者として
自己の利益のために議決権を行使してよいから
取締役会
議決権の数(1人1議決権の頭数多数決)(369条1項)
取締役会では取締役箱人的信頼に基づいて選任された者である以上、対等に尊重される必要があるから
議決権の代理行使、書面投票・電子投票は不可
取締役会は、取締役の協議と意見の交換によって一定の結論を得るための制度だから
特別利害関係取締役の議決権行使は不可(369条2項)
取締役は受任者として会社のために議決権を行使しなければならないからである