Please enable JavaScript.
Coggle requires JavaScript to display documents.
57A違法な剰余金の配当が 行われた場合の法律関係 (剰余金の配当における分配可能額規制 (内容 (株式会社では株主は有限責任しか負わない(104…
57A違法な剰余金の配当が
行われた場合の法律関係
剰余金の配当における分配可能額規制
内容
株式会社では株主は有限責任しか負わない(104条)
趣旨
会社債権者保護の観点から、
会社財産が維持される必要がある
剰余金の配当をするには「分配可能額を超えてはならない」という財権規制が課される(461条1項柱書8号)
違法な剰余金配当の効力
したがって、分配可能額を超えた
違法な剰余金の配当は無効
ただ、会社の株主に対する請求権の根拠は
462条1項により特別法定化されていると解する
業務執行者・議案提案取締役の責任
会社に対する責任
内容
業務執行者等の責任は過失責任(462条2項)
会社債権者保護の観点からこの義務は免除できない(同条3号)
総株主の同意で、分配可能額を限度として免除できる(同条項ただし書)
さらに株主は代表訴訟を提起できる(847条)
趣旨
責任の性質・免除・代表訴訟
会社は株主に対して支払い請求できるが、
実際には多数の株主に対する
わずかな配当金の支払請求は困難
会社財産を回復する必要性から
業務執行取締役・執行役等の業務執行者や株主総会や取締役会に剰余金配当議案を提案した議案提案取締役に、会社に対する前記金銭の支払義務を負わせている(462条1項柱書6号)
株主に対する求償の可否
業務執行者等が会社に
支払義務を履行した場合
業務執行者等は悪意の株主に対しては求償できるが
違法配当をした業務執行者等に
対する制裁として
善意の株主に対しては求償できない(847条)
第三者に対する責任
429条1項の損害賠償責任
悪意または重過失によって違法配当をし、
これによって第三者が損失を被った場合
業務執行者等は第三者に対して損害賠償責任を負う(429条1項)
429条2項の損害賠償責任
計算書類等に虚偽記載をした取締役・執行役は無過失を立証しない限り、第三者に対して損害賠償責任を負う(同条2項1号ロ)
株主の責任
会社に対する責任
株主は会社に対して、交付を受けた金銭等の帳簿価額に
相当する金銭を支払う義務を負う(462条1項柱書)
会社債権者に対する責任
会社債権者は、自己の債権額を限度として、株主に対して、前記金銭を会社または自分に支払わせることができる(462条2項)
株主の責任の性質
この株主の責任は
無過失責任(462条2項参照)
株主は過失がなくても、会社や会社債権者からの
支払請求に応じる義務がある
監査役・会計参与・会計監査人の責任
会社に対する責任
違法配当について任務懈怠があった場合
会社に対して損害賠償責任を負う(423条1項)
第三者に対する責任
429条1項の損害賠償責任
悪意又は重過失によって違法配当をし、
これによって第三者が損害を被った場合
監査役等は第三者に対して損害賠償責任を負う(429条1項)
429条2項の損害賠償責任
監査報告等に虚偽記載をした監査役等
無過失を立証しない限り、第三者に対して損害賠償責任を負う(同条2項2号3号4号)