Please enable JavaScript.
Coggle requires JavaScript to display documents.
新株発行無効の訴えの無効原因 (株主の差止請求(210条)を無視して新株が発行された場合(本問は裁判所の仮処分を決定まで出ている場合) (自説の結論…
新株発行無効の訴えの無効原因
株主の差止請求(210条)を無視して新株が発行された場合(本問は裁判所の仮処分を決定まで出ている場合)
自説の結論
本問のように
差止の仮処分まで出ている場合
これを無視した新株発行は
重大な法令違反として無効原因になると解する
自説の理由
裁判所の公権的判断がなされているにも関わらず有効とした場合
法秩序の維持という司法制度の目的に反する
株主保護のために差止を認めた210条の趣旨に反するから
問題の所在
株主には一定の場合に
募集株式発行等差止請求権が
認められている(210条)
これを無視した新株発行が
新株発行無効の訴えの無効原因となるかが問題となる
公開会社において募集事項の通知・公告を欠いて新株が発行された場合
自説の結論・理由
事前の公示を
要求した趣旨
募集株式発行等差止請求権(210条)行使の機会の保証
この株主の重大な権利行使の機会を奪っている以上
原則として重大な法令違反として無効原因になると解する
問題の所在
公開会社では、取締役会決議によって募集事項が定められた場合は、株主に対して事前に募集事項を公示しなければならない(201条3項4項)
そこで、株主に対する公示を欠いた新株発行が
新株発行無効の訴えの無効原因になるかが問題となる
留意点
ただし、通知・公告を欠いた以外に瑕疵がなく、
仮に通知・公告があっても差し止められなかった場合
無効とするのは事前の通知・公告を絶対視するもので、妥当ではない
このような場合で、差止事由が
存在しなかったことを会社が立証したときは
例外的に無効原因にはならないと解する
公開会社において取締役会の決議を欠いて新株を発行した場合(新株発行の無効原因・一般論としての解釈指針を含む)
問題の所在
公開会社は有利発行を除いて取締役会決議によって新株を発行できる(201条1項,199条2項)
そこで、取締役会決議なしに代表取締役が行った新株発行
新株発行無効の訴え(828条1項2号)の無効原因になるかが問題となる
自説の結論
新株の効力発生後は
取引の安全を重視すべき
新株発行の無効原因は
重大な瑕疵がある場合に限ると解する
自説の理由
本問の取締役会による意思決定は会社内部の意思決定に過ぎない
決議がないことを理由に
無効とすると
取引の安全を害する
また、株主は事前に
差止請求権(210条)を行使できた
不利益を受けるのはやむをえない
したがって、重大な法令違反ではなく、無効原因にはならないと解する
公開会社において株主総会の特別決議を欠いて第三者に対して新株を有利発行した場合
自説の理由・結論
株主総会特別決議は取締役会の内部的要件に過ぎない
かかる決議がないことを理由に無効とすると
取引の安全を害する
また、株主は事前に
差止請求権(210条)を行使できた
不利益を受けるのはやむをえない
したがって、重大な法令違反ではなく、無効原因にはならないと解する
問題の所在
公開会社の場合でも有利発行の場合は株主総会特別決議(201条1項、199条2項3項、309条2項5号)
そこで、株主総会特別決議を欠いて行った有利発行が
新株発行無効の訴えの無効原因となるかが問題となる