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小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (ハヤカワ文庫NF) (目標を決める (本当にその価値があるのか?…
小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (ハヤカワ文庫NF)
by ジェイソン フリード、デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン、黒沢 健二、松永 肇一、美谷 広海、祐佳 ヤング
成功は成功を生む
ハーヴァード・ビジネススクールのある調査によると、一度成功した起業家は次もうんと成功しやすい(次に成功する確率は三四パーセント)。しかし最初に失敗した起業家が次に成功する確率は、はじめて起業する人と同じでたったの二三パーセントだ。一度失敗している人は、何もしなかった人と同じぐらいにしか成功を収めていない。
小さく決断する
小さな決断をするということは、大きな計画を立てたり、大きなアイディアを考えたりできないということではない。
極地探検家のベン・ソーンダースは彼の単独の北極探検(約二〇〇〇キロを七二日間ひとりで)の間、「大きな決断」については考えてみるのもゾッとするほどで、日々「目の前の数メートルの小さな氷にたどり着くこと」だけを考えたという。
理想へたどり着くには大きな計画を分割して小さな決断を繰り返すのが一番だということだ。
無駄な会議はするな
1時間の会議のために何時間ぶんの生産力を犠牲にしているのかを考えてみよう
次のような単純なルールを守ることで会議が生産的になる
・タイマーをセットする。タイマーが鳴ったら会議は終了。そこまで。
・可能な限り少ない人数しか呼ばない。
・常に明確な会議の議題を設定する。
・具体的な問題から始める。
・会議室のかわりに問題が起こっている場所で会う。実際の物を指差し、本質的な変更点を提案する。
・解決策を出して終了し、誰かにそれを実行する責任を負わせる。
何よりも最悪な邪魔者は会議である。理由は以下のとおり。
・会議は実際の もの ではなく、言葉や抽象的な概念に関するものである。
・通常一分あたりごく少量の情報しか伝達しない。
・会議の主題は吹雪の中を走るシカゴのタクシーより容易に道からそれる。
・会議には緻密な準備が必要だが、たいていはその時間がない。
・誰にも目的がはっきりとわからないくらい曖昧な議題が用意されることが多い。
・必ず自分の番を得て全員の時間を無駄にするバカが最低ひとりはいる。
・会議は会議を生み出す。ひとつの会議がもうひとつ別の会議につながり
睡眠不足は生産性を下げる
いくつかの研究で睡眠不足は、アルコールを摂取時と同程度の注意力になると言われている。
つまり、酒を飲みながら仕事をしているのと変わらないのだ。
その他の睡眠不足の弊害
頑迷になる
間違った方針にはまりやすくなる。
創造性の枯渇
彼らは一〇分の一の労力しか必要ない解決策を思いつくのに創造性を使っているのだ。
モチベーションの低下
大きな問題に取り組もうという気力がなくなってしまう。
短気になる
忍耐強さや寛容的でいる能力はひどく影響を受ける。
自分らしさを出す
ザッポスという靴屋では、カスタマーサービスの従業員は顧客と長時間話すことが許されている。
新入社員はカスタマーサービスでの電話の応対の作業を4週間やることが決まっている。
カスタマーサービスへの入れこみがザッポスのユニークさなのである。
ジョエル・サラティンが所有する、ヴァージニアの農場は、環境に優しいことを売りにしている。それは大企業ではできない取り組みだったのです。
商品や作品にはあなたのユニークさを取り入れることが大事だ。
競合より優れているなら主張しよう
アウディは広告において、ロールスロイスやメルセデスは古い高級ブランドであり、アウディこそそれに代わる新しい高級車だと主張している。
アップルはマックとウィンドウズの所有者を比較する広告を出している。
競合を無理に貶す必要はない。自分のほうが優れていると思ったら発言すればいいのです。
競合より少なく行う
なにごとも相手よりも「少なく」するのだ。
少ないことが武器になるのです。
強豪よりひとつ上を行くという考え方は行き詰まる。
サウスウエスト航空は格安を実現するために、2都市間を単純につなぐ「ポイント・トゥ・ポイント」路線に絞った。また、機内食をなくし、指定席を廃止した。
その結果、利益を出すのが難しいと言われる航空業界で、毎年めざましい業績を上げたのです。
競合のことは考えない
強迫観念に変わってしまうからだ。
自分自身に焦点を当ててみよう。
彼らはゲームのルールを握っているのだ。そしてルールを作っているものを打ち負かすことはできない。あなたは少しだけ良いものを作るだけでなく、ルールを再定義しなくてはいけない。
あなたが信じていることで戦うほうがいいのだ。
気にしない
に「ノー」と言おう
いい。注文の多い少数の顧客を幸せにするために多くの人に迷惑をかけ、商品を台無しにしてしまうのは良くない。
INGダイレクトは「ノー」と言うことでアメリカで最も急成長する銀行
INGは物事をシンプルに保ち
それがこの銀行が少数の貯蓄口座、定期預金、投資信託だけしか提供していない理由である。
無名であることをポジティブに捉える
ブロードウェイもまたいい例だ。彼らもアイディアを試すときには、まず小さなステージから始める。ニューヨークで公演する前に小さな町で必ず試験的な公演を行うのだ。
一度規模が大きくなって人気が出てきたら、必然的にリスクは小さくしなければならない
今こそ恥をかくことを心配せずにリスクをとれるとき
大手よりマニアに訴える
た。大手の記事はそれなりにすばらしいのだが、直接的で瞬間的な効果は期待できない。
僕たちも『ワイヤード』や『タイム』といった大手雑誌に記事を書かれたことはあるが、より効果的だったのはむしろ、マックのマニア向けサイト「デアリング・ファイアボール」や、仕事術についてのサイト「ライフハッカー」に掲載されたときだった。
あらゆるものがマーケティング
何かコミュニケーションの手段があるのなら、マーケティングはできる。
・電話に出るときもマーケティングだ。
・メールを送るときもマーケティングだ。
・あなたの製品が使われるときもマーケティングだ。
・ウェブサイトに書き込む言葉もマーケティングだ。
・もしソフトウェアを作ったら、エラーのメッセージもマーケティングだ。
・もしレストランを経営しているなら、ディナー後のミントキャンディもマーケティングだ。
・もし店を経営しているなら、レジのカウンターもマーケティングだ。
・もしサービス業ならば、請求書もマーケティングだ。
採用時の学歴は関係ない
学校で習う間違った教えはいくつかある。
・文章は長ければ長いほど良い。
・話し言葉で書かない。フォーマルな、きちんとした文体で書け。
・難解な言葉を使うと効果的だ。
・評価を得るためには、一定の字数や枚数が必要だ。
・内容と同じくらい、またはそれ以上に形式が重要だ。
BMWは、サウスカロライナの工場にシミュレーション用の組み立てラインを作り、そこで実際の仕事に沿った様々な作業を九〇分間、求職者に行わせるのだ。
航空機メーカーのセスナは、マネジャー候補に実際のマネジャーの仕事を疑似体験させるロールプレイングの仕組みを採用している。候補者は書類の処理や、(架空の)クレーム対応、その他の問題の対処を行う。セスナはこのシミュレーションを使って、一〇〇人以上の人間を雇ってきた。
現在のアメリカのトップ五〇〇の企業のCEOの九〇パーセントは、名門私立大学の連なるアイビーリーグの大学の卒業生ではない。実際、ハーヴァード大学(アイビーリーグ内では一番多い九人のCEOを出している)よりもウィスコンシン大学の卒業生のほうが多いのだ。
間違いはちゃんと認める
アッシュランド・オイル社の原油流出事故は対照的だった。アッシュランド社長のジョン・ホールはすぐ事故現場へ向かい、すべてを除去すると誓ったのだ。
に「腐敗した石油会社がまたやらかした」という論調を「善良な石油会社が善処しようとしている」に変えたのだ。
間違いを自分の物にする方法は以下のとおり。
・メッセージはトップから発する。最上位の人間が力強く指揮をとる。
・メッセージをできるだけ広範囲に発信するためにできる限りのことをする。臭い物に蓋はご法度。
・「ノーコメント」は選択に入れないし、あってはならない。
・人間として謝罪し、事故の詳細を説明する。
・誠実に顧客のことを考え、行動で示す。
間違いを認め速やかに対処することは、誠意を示すことになる
破滅へ導く四つの言葉
良い話し合いを殺し、プロジェクトを遅らせるだけ。
ビジネスでは絶対に使ってはいけない言葉がある。それは
「必要(need)」
「するべき(must)」
「できない(can't)」
「簡単(easy)」
「必要(need)」
本当に必要なものなんてあんまりない。
大体は「やったほうがいい」程度のも。
「どう思う?」や「この方がいいんじゃない?」と質問系に変えてみよう。
「できない(can't)」
簡単に決めてはいけない。
よく考えて判断する必要がある。出来ない真っ当な根拠が見当たらないなら、それは「やろうとすればできる」ことだ。
「簡単(easy)」
自分基準の「簡単」ほど厄介なものはない。
あなたにとっての「簡単」は「これぐらい早く出来ないと困る」と相手には伝わってしまう。
目標を決める
本当にその価値があるのか?
何かを加えるのは簡単だが、価値を加えるのは難しい。
見た目ではなく、内容で決めなければいけないのです。
かっこよさはすり減っていく。しかし、役に立つかどうかはすり減ることがありません。
思い切って行動に踏み切る前に取り組む価値があるのかを定めよう。
これに取り組んでいるあいだ出来なくなることは何だろう?
もっと価値あることに挑戦できたのではないか?
この目標を優先してやる意味について考えてみましょう。
もっと簡単な方法はないのか?
「もっと簡単な方法はないのか」と自問するべきだ。この「もっと簡単な方法」はときに「より良いもの」である場合も多い。
それは行動を変えるのか?
あなたの取り組みは何かを変えられるのか?
なにも変わらないなら、やめたほうがいいだろう。
どういった問題を解決するのか?
何も解決しない目標には意味がない。
いったん立ち止まって一体自分が何をしているのかを再確認してみよう。
これらの答えを知ることが、その仕事をよりよく理解する助けになるだろう。